架空ホテル贋従業員日誌

鳥の話題が出たついでに。 ホテルの建物の図面を見てたら、屋上に「鳩小屋」なるものがあった。 伝書鳩用の避難場所でも提供しているのかと思ったが、そうではないらしい。 エアコンの室外機や冷却塔への渡り配管などを屋上に設置する際に、屋根版を貫通して突き出す配管に対して、建物の中に雨水が入らないようにするために覆った防水対策用の小屋のことだそうな。 棚田建設さま ハト小屋とは？ 杉田エースさま 建築のハト小屋

ホテル周辺には野鳥がいる。 雀（スズメ）、烏（カラス）、鵯（ヒヨドリ）、鳩（ハト）、椋鳥（ムクドリ）、鶺鴒（セキレイ）、尾長（オナガ）、などなど。 4月、5月になるとこういった野鳥が軒下などに巣を作り出す。卵を産んで雛鳥を育てるためであるが、そうなると糞は落ちてくる雛鳥の鳴き声はするで、わりと騒動（宿泊客からのクレーム）になる。なんせ早朝4時、5時になるともう野鳥は騒ぎ始めてたりするんで。 …だもんで、巣を見かけると速攻撤去作業が始まる。 しかしながら、鳥が巣にいる状態や既に卵を産み付けているときは（むろん、雛が孵っている場合も）、 鳥獣保護法の８条「 鳥獣の捕獲等及び鳥類の卵の採取等の禁止」 があるため巣の撤去は違法となる。糞害などが酷い場合には役所に許可をもらえば撤去可能ではるが、その場合でも 認定鳥獣捕獲等事業者でないと撤去作業は行えない。 法律はいろいろとややこしい。

2021年4月25日の日経新聞に「 三たびの緊急事態宣言　初日の街の様子は 」って記事が出てた。ようは 緊急事態宣言がまたまた出たのに東京ディズニーランドは混雑していてけしからんという意味合いの写真付き記事なワケだが。 ネット上では速攻で否定されていたが、写真は圧縮効果を望遠レンズで狙った写真で、実際にはそんなに人は多くないし、開園時間直後のエントランスなどが混むのは、そりゃ当然。 実際、入園者数は東京ディズニーランドで1万5千人に満たず。東京ディズニーシーに至っては1万未満の日だった。

気が付くと、４月に１回も書いてなかったな。 ４月の最初の金曜土曜は東京ディズニーランド、東京ディズニーシーの入園者制限が緩和されたとあって、客室稼働率９０%とかいう愉快な数値。宿泊者向け駐車場は満車になるし、もうてんやわんや。よく救急車出動要請が出なかったものだと。 平日は稼働率は落ちるもののそれでも４０%くらい。 まん延防止云々になって２０%くらいまで減って、ゴールデンウィークで３０%強まで持ち直したってところでしょうか。 煙草の吸殻を駐車場や建物周辺に落ちてることが増えたくらいで、そんなに事件と言えるものもない。

  蟹が出た。 何を言っているか判らんかもしれんが。 まぁ、建物の外を巡回中に蟹に出くわしたワケだ。 野生動物（タヌキやハクビシン）だったり、野鳥の死骸の場合は防疫の意味合いもあり、保健所連絡の必要もあるため報告が必要になってくるんだが、蟹の場合はどうなんだろね。 スズメバチとかだと巣を探して、専門家を呼んで撤去作業になるんだけど。 それにしても、この蟹、東京湾からやってきたのか?

勤務時間のうち3時間から4時間くらいは館内、建物の外周、駐車場の巡回を行っている。交代で巡回しているので、24時間のうち12時間くらいは誰かしらが巡回しているんじゃないかしらん。 駐車場だと、点灯状態の車が無いか、窓が開いた状態の車が無いか、車の中に犬や猫が放置されていたりしないか。更にはオイル漏れ、ガソリン漏れなどが起きていないか。実際、地元でオイル交換して舞浜にやってきたら、オイルキャップ締め忘れたままだった……というのもあったらしい。 館内だと忘れ物や放置物、不審物の有無から、施錠されているべき扉が施錠されていること。逆に開放されているべき扉が施錠されていないこと。製氷機が異音を出していたり高熱を発してたりしないこと。廊下や非常階段などの灯りが消えていないこと。非常階段だと蛍光灯なこともあり、寿命でフリッカー起こしていることも。 建物の外周だと放置物や落とし物、不審物の有無に加えて、野鳥や動物の死骸の確認（あった場合は保健所に依頼）。吸い殻の回収など。建物内は客室も含め、喫煙ルーム以外は禁煙なんだが、どうしても客室で吸って窓から投げ捨てるような不届き者も存在するわけで。

そんなに多いわけではないが……年に１人とか……不審者が出てくることもある。過去の事例なんぞを。 夜明けごろ、駐車場をうろつく人物を監視カメラがとらえる。車を出し入れする宿泊客でもないようなので、車上荒らしか？　と、偉い人に報告の上、偉い人といっしょに駐車場へ。 偉い人が話してみると、「知人がいる」とか微妙に要領を得ない会話。認知症じゃね？　……ということで、警察に連絡してお引き取り願う。 後に警察からの情報だと、都内で捜索願いが出てた人物だったらしい。